支出したら、その年の費用になる?

事業のためにお金を使ったからといって、必ずその年の「費用」になるとは限りません。

特に確認したいのは、次の3つです。

  • 開業前の支出か
  • 支出した金額はいくらか
  • 青色申告か白色申告か

特に確認したい3つ(開業前の支出か、支出した金額、青色申告か白色申告か)を示す図

1. 開業前の支出

10万円以上の支出

青色申告、白色申告によって異なります。
詳しくは、下の「2. 青色申告の場合」「3. 白色申告の場合」をご覧ください。

10万円未満の場合

資産として登録します。

  • 分類:資産のうちの繰延資産
  • 勘定科目:開業費

開業前の支出は10万円以上なら申告方法で異なり、10万円未満なら繰延資産の開業費になることを示す図

開業費は、償却をします。

※償却とは、何年かに分けて費用にすることを言います。

開業費は、好きな時期に好きな金額を費用にしていきます。

開業費は償却し、好きな時期に好きな金額を費用にしていくことを示す図

極端にいえば、100万円の開業費があったとします。
1年目に100万円でもいいですし、1年目~4年目は0円、5年目に100万円でもいいのです。

100万円の開業費を1年目に全額、または5年目に全額費用にする例を示す図

2. 青色申告の場合

  • 10万円未満か使用可能期間が1年未満 … 支出日の費用
  • 10万円以上40万円未満 … 支出日の費用(1年間で300万円まで)にすることもできますし、下記のように取り扱うことも可能です。
  • 40万円以上 … 減価償却

青色申告では金額により支出日の費用・300万円までの特例・減価償却の3つに分かれることを示す図

10万円以上40万円未満の支出は、次のように取り扱うこともできます。

  • 10万円以上20万円未満 … 一括償却資産又は減価償却
  • 20万円以上40万円未満 … 減価償却

青色申告の10万円以上40万円未満の選び方(20万円未満は一括償却資産又は減価償却、20万円以上は減価償却)を示す図

3. 白色申告の場合

  • 10万円未満か使用可能期間が1年未満 … 支出日の費用
  • 10万円以上20万円未満 … 一括償却資産又は減価償却
  • 20万円以上 … 減価償却

白色申告では20万円がラインになり、金額ごとに支出日の費用・一括償却資産・減価償却に分かれることを示す図

金額ごとの取扱い(比較表)

支出額 青色申告 白色申告
10万円未満、または使用可能期間が1年未満 支出日の費用 支出日の費用
10万円以上20万円未満 支出日の費用(※)/一括償却資産/減価償却 一括償却資産/減価償却
20万円以上40万円未満 支出日の費用(※)/減価償却 減価償却
40万円以上 減価償却 減価償却

※1年間で300万円まで

一括償却資産とは

3年にわたって均等額を費用に入れる方法です。
支出額×12/36が1年間の費用となります。

一括償却資産は支出額×12/36を3年にわたって費用にすることを15万円の例で示す図

減価償却とは

資産の種類によって耐用年数というものが決められていて、その年数で費用にしていく方法です。
費用にする方法には、定額法と定率法があります。

減価償却は耐用年数で費用にし、定額法は毎年同じ額、定率法ははじめが多いことを示す図

まとめ

「お金を払った=その年の費用」とは限りません。

支出したときは、次を確認して処理を決めます。

  • 開業前か
  • 金額
  • 使用可能期間
  • 青色申告か白色申告か

支出したときに確認すること(開業前か・金額・使用可能期間・青色か白色か)のチェックリスト

※本記事は一般的な考え方をまとめたものです。実際の取扱いは個別の状況により異なります。

← コラム一覧へ戻る