親の口座から子の口座へ100万円、これって贈与?

親のキャッシュカードを子が預かり、生活費や医療費を引き出すようになりました。
ある日、親の口座から100万円を引き出して、子の口座に移しました。

贈与ってどうなるの?

親のカードを子が預かり、ある日100万円を子の口座へ移した場面を示す図

まずは基本:カードを預かって管理するだけなら贈与ではない

親のキャッシュカードを預かり管理しているだけの場合や、親の生活費や医療費を支払っている場合は、親のお金で親の支払をしているだけなので、贈与ではありません。

子がカードを預かり親のお金で親の支払いをするのは贈与ではないことを示す図

では、親の口座から子の口座に100万円を移した場合はどうなるでしょうか。
移したお金を何に使ったかによって、扱いが変わります。

使い道 贈与税 注意点
親の生活費・医療費 かからない 残ったお金は相続税の対象になることも
子の生活費・教育費 非課税 必要な時に必要な分だけ
それ以外・貯蓄・投資 かかる可能性あり 一括・高額は特に注意

移した100万円の使い道別に贈与税なし・非課税・課税の可能性と分かれることを示す図

ケース①:親の生活費や医療費の支払いをした場合

親の生活費や医療費の支払いをした場合、子が親からお金を預かったと考えます。
親のお金で親の支払をしただけなので、贈与税はかかりません。

注意:使い残したお金は「名義預金」になることも

ただ、子の口座に移したお金は、親が死亡した時、「名義預金(親の財産)」とみなされて相続税の計算の対象となることがあります。

親のために使えば贈与税なし、子の口座に残ったお金は名義預金として相続税の対象になることもある図

安全に管理するためのポイント

  • 親の口座から、必要な時に必要な分だけを引き出すのが安全です。
  • 預かり証・請求書や領収書など、親のために使ったという証拠を残しておきましょう。

親のお金を預かるときの2つのルール(必要な分だけ・預かり証などの証拠を残す)を示す図

ケース②:子の生活費に使った場合

次の場合は、贈与という行為になりますが、贈与税は非課税です。

  • 助け合う義務がある身内(親子・夫婦・兄弟姉妹など。法律では「扶養義務者」といいます)同士のやり取り
  • 生活費や教育費として
  • 必要なタイミングで必要な金額を移す

扶養義務者同士で生活費や教育費として必要な時に必要な金額なら非課税になることを示す図

年間110万円を超えても、生活に必要であれば贈与税の計算対象とはなりません。

※贈与税は、年間(1月1日〜12月31日)にもらった金額が110万円までは税金がかかりません。

生活に必要な生活費・教育費なら110万円を超えても贈与税の対象外になることを示す図

ケース③:贈与税の対象になる場合

次のような場合は贈与となります。

  • 子が経済的に自立している場合
  • 子が生活費や教育費以外に使用した場合
  • 残ったお金を貯蓄したり投資したりした場合

一括でもらったり高額でもらったりした場合は、贈与税の計算対象となることがあります。

子の自立・生活費以外の使用・貯蓄や投資・一括や高額の場合は贈与税の対象になることもある図

まとめ

  • カードを預かって親の支払いをするだけなら、贈与ではありません。
  • 親のために使ったお金は贈与税はかかりませんが、子の口座に残ったお金は相続税の対象になることがあります。
  • 子の生活費・教育費として必要な分を移すのは非課税です。
  • それ以外の使い道や、一括・高額での移動は贈与税に注意しましょう。
  • 必要な時に必要な分だけ引き出し、預かり証・請求書・領収書を保管しておくことが大切です。

親の口座から子の口座へ移したお金の使い道別の扱いと書類保管のまとめ

※本記事は一般的な考え方をまとめたものです。実際の取扱いは個別の状況により異なります。

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