確定申告はしないといけない?よくある誤解点

実は「申告しなくていい」と「税金がかからない(非課税)」は、まったく別の話です。
知らないまま申告すると、思わぬ税金が発生することも。この記事では、税金の知識がない方にも分かりやすく解説します。
1. 確定申告が不要なケースとは?
以下のどちらかに当てはまる方は、確定申告書を提出しなくてよいとされています。
(給与所得がある方)
20万円以下?
提出 不要 ✅
提出 必要 ❗
他の所得が20万円以下?
提出 不要 ✅
提出 必要 ❗
2. 「申告不要」の本当の意味
「申告しなくていい」と聞いたとき、こう思ってしまう方が非常に多いです。
これは大きな誤解です。正しくは次の通りです。
申告しなくていい
=
所得が非課税になる
申告しなくていい
=
申告書を提出しなくていい
というだけ
あくまでも「申告書という書類を税務署に出さなくていい」というルールです。所得が非課税になるわけではありません。
所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になることがあります。お住まいの市区町村の窓口にご確認ください。
3. 申告書を提出するときに守るべきルール
「医療費控除を受けたい」「ふるさと納税をしたから手続きしたい」など、申告が不要な場合でも確定申告をする方もいます。
そのとき、絶対に守らなければならないルールがあります。
「20万円以下は申告不要」というルールは、申告書を提出しない場合の話です。
いったん申告書を提出すると決めたら、20万円以下の所得もすべて記載しなければなりません。
記載した所得は課税の対象になります。「申告したら逆に税金が増えた」とならないよう、申告前に確認することが大切です。
4. 「申告不要」でも確定申告が必要なケース
① 同族会社の役員の方
社長やその家族が経営する「同族会社」の役員で、その会社から次のような収入を受け取っている方は、給与以外の所得が20万円以下でも確定申告が必要です。
- 会社への貸付金の利子
- 土地・建物などの賃貸料
② 青色申告特別控除(65万円)を使っている方
自営業の方が使える「青色申告特別控除(最大65万円)」は、確定申告書を提出することで初めて適用できる制度です。
下の計算例のように税金がゼロになるケースでも、申告書を出さないとこの控除は使えません。
⚠️ 税額がゼロでも、青色申告特別控除の65万円を使うためには申告書の提出が必要です。申告書を出さないと控除が適用されず、税金がかかってしまいます。
青色申告特別控除に限らず、確定申告書を提出して初めて適用を受けられる規定は他にもあります。
「どうせ税金がかからないから申告しなくていい」と判断する前に、申告することで受けられる特典がないか、一度確認することをおすすめします。
不明な点はお気軽にご相談ください。
5. 「税金が戻ってこない!」は誤解かもしれません
「医療費控除やふるさと納税をしたのに、確定申告しても税金が返ってこなかった!」というご質問をいただくことがあります。
これは還付の仕組みを知らないと起こりやすい誤解です。
▼ 還付金が発生する仕組み
予定納税
正しい税額
返ってくる
源泉所得税や予定納税をあらかじめ納めていなければ、申告をしても返ってくるお金はありません。
還付されるのは、前払いした税金の範囲内に限られます。
まとめ
- 「申告不要」とは「申告書を提出しなくていい」という意味で、所得が非課税になるわけではありません
- 申告書を提出するときは、20万円以下の所得もすべて記載が必要です(記載すると課税されます)
- 住民税の申告は、所得税とは別に必要な場合があります
- 同族会社の役員で会社から利子・賃貸料を受け取っている場合は、申告が必要です
- 青色申告特別控除(65万円)は、申告書を提出して初めて適用されます
- 還付金は「前払いした税金の範囲内」でしか受け取れません
税金のルールは複雑で、個人によって状況が異なります。
「自分はどうすればいいの?」と思ったら、お気軽にご相談ください。
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