金を売って利益が出た、損失が出た。どんな取扱いになるの?

金(ゴールド)を売って利益が出た場合や損失が出た場合、どのように申告すればよいのでしょうか?取引の方法や所有期間によって税金の計算方法が変わります。この記事でわかりやすく解説します。
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💰 金を売った場合の税金:まず所得の種類を確認
金を売って得た収益は、どのような取引方法で購入・売却したかによって、課税の種類が異なります。
【図①】金を売った場合の所得区分フローチャート
金を売却した
↓
金投資口座・金貯蓄口座(純金積立など)ですか?
▼ はい
源泉分離課税
(20.315%)
(20.315%)
確定申告不要
源泉徴収で完了
源泉徴収で完了
▼ いいえ
利益を目的に
継続的に取引?
継続的に取引?
▼ はい
事業所得
または雑所得
または雑所得
▼ いいえ
総合譲渡所得
※定額購入法(毎月同じ金額で購入)の場合も、総合譲渡所得・事業所得・雑所得のいずれかになります
📈 利益が出た場合
原則:譲渡所得として計算
金地金などを通常の方法で売却して利益が出た場合は、譲渡所得として計算します。所有期間が5年を超えるかどうかで計算方法が異なります。
【図②】所有期間別の譲渡所得の計算方法
① 所有期間が5年以内
売った金額
-
(取得価額 + 譲渡費用)
-
50万円(特別控除)
-
(取得価額 + 譲渡費用)
-
50万円(特別控除)
= 課税対象の譲渡所得
1/2 は適用されません
② 所有期間が5年超
売った金額
-
(取得価額 + 譲渡費用)
-
50万円(特別控除)
=
a
-
(取得価額 + 譲渡費用)
-
50万円(特別控除)
=
a
↓
a × 1/2
= 課税対象の譲渡所得
1/2にできるのでお得!
③ ①と②の両方がある場合:①の金額と②の金額を合算して課税されます。
【図③】50万円の特別控除の使い方
ポイント:50万円を控除できる上限は「譲渡益の合計額まで」
①(5年以内)と②(5年超)
両方の利益がある場合
両方の利益がある場合
①の利益から先に50万円を引く
(残りがあれば②から引く)
(残りがあれば②から引く)
控除の上限
50万円が上限
(利益が30万円なら控除も30万円まで)
(利益が30万円なら控除も30万円まで)
例)①の利益が20万円、②の利益が40万円の場合
①から20万円を控除(ゼロになる)→ 残り30万円を②から控除 → ②の課税対象は10万円 × 1/2 = 5万円
①から20万円を控除(ゼロになる)→ 残り30万円を②から控除 → ②の課税対象は10万円 × 1/2 = 5万円
継続的な取引を行っている場合(事業所得・雑所得)
もうけを得ることを目的として継続的に金の取引を行っている場合、取引の規模によって事業所得または雑所得となります。
計算式
売った金額 - (取得価額 + 譲渡費用) = 課税対象額
※50万円の特別控除は適用されません
金投資口座・金貯蓄口座(純金積立など)の場合
純金積立などの金融商品に近い形で取引している場合は、通常の金地金とは異なる課税方法が適用されます。これを「源泉分離課税」といいます。
【図④】源泉分離課税の仕組みと税率の内訳
収益(もうけ)
が発生
が発生
→
20.315%を
源泉徴収
源泉徴収
→
課税関係
終了!
終了!
税率20.315%の内訳
所得税
15%
+
復興特別所得税
0.315%
+
住民税
5%
=
合計
20.315%
❌ 確定申告できません
源泉分離課税のため申告不可
源泉分離課税のため申告不可
✅ 合計所得金額から除外
扶養控除などの判定に影響なし
扶養控除などの判定に影響なし
📌 定額購入法(毎月同じ金額で購入する方式)の場合
源泉分離課税ではなく、総合譲渡所得・事業所得・雑所得のいずれかとなります。
源泉分離課税ではなく、総合譲渡所得・事業所得・雑所得のいずれかとなります。
📉 損失が出た場合
金を売って損失が出た場合、注意が必要です。金は「生活に通常必要でない資産」に分類されるため、他の所得と損失を相殺できる範囲に制限があります。
【図⑤】損失が出た場合の損益通算ルール
📝 まとめ
①
通常の金地金を売った場合 → 総合譲渡所得
所有期間5年以内・5年超で計算方法が異なり、最大50万円の特別控除あり
所有期間5年以内・5年超で計算方法が異なり、最大50万円の特別控除あり
②
純金積立など金融商品口座の場合 → 源泉分離課税(20.315%)
確定申告は不要(できない)。合計所得金額にも含まれない
確定申告は不要(できない)。合計所得金額にも含まれない
③
継続的・反復的な取引 → 事業所得または雑所得
売却益 ー 取得費用で計算。50万円控除は適用なし
売却益 ー 取得費用で計算。50万円控除は適用なし
④
損失が出た場合は要注意!
金は「生活に通常必要でない資産」のため、他の所得との損益通算には制限あり
金は「生活に通常必要でない資産」のため、他の所得との損益通算には制限あり
💡 判断に迷ったら税理士に相談を
金の取引は取引方法や規模によって課税方法が大きく変わります。確定申告が必要かどうか、どの計算方法が適用されるかは、税理士にご相談ください。
金の取引は取引方法や規模によって課税方法が大きく変わります。確定申告が必要かどうか、どの計算方法が適用されるかは、税理士にご相談ください。
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