株の譲渡損益や配当は申告しなくてはいけないの?

株式の配当や譲渡益は、上場株式等か一般株式等かによって申告ルールが大きく異なります。さらに特定口座やNISAの存在も加わり、非常に複雑です。今回は、それぞれのルールをわかりやすく整理していきます。
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株の譲渡益とは
株式の譲渡は、原則として譲渡所得となります。ただし、もうけを目的として継続的に行う場合は、事業所得または雑所得になります。いずれの場合も、上場株式等と一般株式等(上場株式等以外)に分けて、他の所得と区分して計算されます。
図①
上場株式等と一般株式等の損益通算の「壁」
上場株式等
・ 証券取引所に上場されている株式等
・ 譲渡損は上場株式等の利益とのみ通算可
・ 譲渡損は上場株式等の利益とのみ通算可
🚫
通算不可
一般株式等
・ 未上場株式・出資等
・ 譲渡損は一般株式等の利益とのみ通算可
・ 譲渡損は一般株式等の利益とのみ通算可
💡 上場・一般いずれの譲渡損も、給与所得など他の所得からマイナスすることは原則できません。
図②
譲渡益の税率と計算式
税率(上場・一般とも一律)
20.315%
所得税 15.315%
住民税 5%
計算式
譲渡価額
−
必要経費
(取得費+譲渡費用)
信用取引・FXは雑所得として、他の所得と区分して計算されます。
特定口座とNISAの取り扱い
図③
特定口座とNISAの申告ルール
📂 源泉徴収あり特定口座
申告する
損益通算や繰越控除を活用できる
申告しない
源泉徴収のみで完結。確定申告不要
💡 どちらにするかは選択できます
🌿 NISA口座
譲渡益・配当
非課税
譲渡損が出た場合
他の利益から差し引くことはできない
💡 損失は一切考慮されない点に注意
配当の申告方法を選ぶ
配当の申告方法は、上場株式等か一般株式等かによって選べる選択肢が異なります。
図④
上場株式等の配当:3つの申告方法
① 申告不要
源泉徴収で課税が完結
確定申告は不要
確定申告は不要
配当控除:なし
源泉税精算:なし
源泉税精算:なし
② 総合課税
他の所得と合算して計算
超過累進税率が適用
超過累進税率が適用
配当控除:あり
源泉税精算:あり
源泉税精算:あり
③ 申告分離課税
他の所得と別に計算
(大口株主を除く)
(大口株主を除く)
配当控除:なし
源泉税精算:あり
源泉税精算:あり
💡 申告分離課税を選択した場合のみ、上場株式等の配当から上場株式等の譲渡損をマイナスすることができます。
図⑤
一般株式等の配当:申告方法の選択
① 総合課税
他の所得と合算して計算。配当控除の適用あり。原則、申告が必要。
② 申告不要
1回に受け取る配当額が一定以下の場合のみ選択可。
条件:1回の配当 ≦ 10万円 × 配当計算期間 ÷ 12
⚠️ 一般株式等の配当には「申告分離課税」は選べません。
譲渡損の繰越控除
図⑥
上場・一般株式の譲渡損 繰越ルール比較
💡 上場株式等の譲渡損が配当との通算後もまだ残る場合、その残額は最長3年間繰り越して翌年以降の上場株式等の利益から控除できます。
株式の配当や譲渡益の申告は、上場か一般かの区分、口座の種類、そして配当の申告方法の選択によって最終的な税負担が変わってきます。自分の状況に合った選択ができるよう、まずはどの区分に該当するかを確認することが重要です。
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