税金を解りやすく
もう5年以上前。
商工会で個人事業者に向けて「決算と消費税」についての説明会を税理士がしていて、それに受講者として参加したことがある。
私は、税理士試験の勉強や会計事務所での実務経験もあり、話の内容は理解できたけれど、何も知らない人が聞いたら分からないのではないか、と感じていた。 「自分が税理士になったら、分かりにくい税金のことを分かりやすく伝えていきたい。」
もうアカウントを消してしまったFacebookに、そう投稿したことがある。
時は過ぎ、自分が税理士になって1年目。 なぜか税務署での「決算及びインボイス制度」の説明会の講師の依頼が来た。
以前投稿した気持ちなんて、すっかり忘れていた(笑)。 それでも自分なりに理解してもらおうと、PowerPointで資料を作成し、すべてを網羅せずポイントだけを説明。 緊張のあまり、訳が分からないうちに終了。 後からああ言えばよかった、こう説明すればよかったと、一人反省大会を開いたほどだった。
後日、その説明会に参加してくださっていた方とお話しする機会があった。 「理解できなかったけど、今、自分がやっていることはヤバいんだと気づいた」という感想をいただいた。
そうだろうな……。 あの内容を短時間で理解してもらうのは難しいよな、と少しガッカリしたものの、「ヤバい」と気づいてもらえたことは、確かな収穫だった。
実際にやってみて、この短時間で内容を理解してもらうのは難しいと感じたのも事実。 翌年も講師を務めたが、この時は冒頭でこう言い切った。 「この時間ですべてを理解してもらうのは無理です。自分がやっていることがヤバいと気づいてもらえれば、それでいいです。」 税務署の担当の方とお話しした際も、そのスタンスでいいのではないかと言っていただけて、ほっと一安心した。
Facebookに投稿した数年後、自分も講師をやっている。 言葉にしたことは実現するんだな、と気づいて、今朝はちょっと笑ってしまった。
税務支援にはいろいろな形があり、その中には ・小学生、中学生、高校生向けの租税教室 ・事業者向けの説明会 などもある。
正直、話すのは得意ではない。 それでも、税金のことを少しでも分かってもらえるように、興味を持ってもらえるように。 5年以上前にFacebookに投稿したときの気持ちを思い出しながら、これからも引き受けていきたい。
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