売上はいつ計上するの?仕入・経費はいつ計上するの?

⚠️ こんな勘違いをしていませんか?
「お金が入ったときに売上を計上する」「支払ったときに経費にする」
実はこれ、間違いです。多くの方が誤解されているポイントを、この記事でやさしく解説します。

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よくある勘違い 〜入金・支払いのタイミングではない〜

確定申告や決算で売上・経費を計上するとき、「お金の動き」と「売上・経費の計上」は別のタイミングで行います。

【図①】よくある誤解と正しい考え方

❌ よくある誤解
入金があった時 → 売上を計上
支払があった時 → 仕入・経費を計上
✅ 正しい考え方
売上が発生した日 → 売上を計上
仕入が発生した日 → 仕入・経費を計上
💡 ポイント:入金がなくても売上を計上しなければならず、反対に支払いがなくても仕入・経費に計上します。「お金が動いた日」ではなく「取引が発生した日」が基準です。

売上・仕入の正しい計上のしかた

では、実際にどのように記録するのか、お金の流れと帳簿の動きを一緒に確認しましょう。

【図②】売上の計上の流れ

売上日
売上(収入金額) ↑ 増える
売掛金・未収入金(資産) ↑ 増える
↓ 後日、入金があったとき
入金日
現金・預金(資産) ↑ 増える
売掛金・未収入金(資産) ↓ 減る(回収)

【図③】仕入の計上の流れ

仕入日
仕入(必要経費) ↑ 増える
買掛金・未払金(負債) ↑ 増える
↓ 後日、支払いがあったとき
支払日
買掛金・未払金(負債) ↓ 減る(支払済み)
現金・預金(資産) ↓ 減る
📌 仕入は全額が必要経費ではありません。
仕入日に経費として記録しますが、年末に「売上原価」を計算して、実際に売れた分だけが必要経費になります(詳しくはセクション5をご覧ください)。

収入金額の計上時期

「売上が発生した日」とは具体的にいつなのかを確認しましょう。取引の種類によって異なります。

【図④】取引の種類別 収入計上のタイミング

取引の種類 詳細 収入計上のタイミング
棚卸資産の販売 商品・製品の売買 引き渡しのあった日
請負 物の引き渡しを要する
(例:建設工事など)
目的物を完成して
相手方に引き渡した日
請負 役務の提供
(例:コンサルティング、修理など)
人的役務の提供を
完了した日
💡 具体例:12月に商品を納品したが、入金が翌年1月の場合 → 12月に売上を計上します(入金を待ちません)。

家事消費・贈与の場合

事業で扱っている商品を自分で使ったり、人に贈ったりした場合も収入として計上する必要があります。

家事消費・贈与の収入金額
区分 収入として計上する金額
原則 販売価額(通常お客さんに売る金額)
特例
(いずれか少ない方)
仕入金額 または 販売価額 × 70% のうち少ない方
💡 具体例:仕入価格500円・販売価格1,000円の商品を自家消費した場合
・仕入金額:500円
・販売価額×70%:700円
→ 少ない方の 500円 を収入として計上(特例適用時)

売上原価の計算方法

仕入れた商品すべてが「必要経費」になるわけではありません。実際に売れた商品の仕入れ代金だけが必要経費(売上原価)になります。

【図⑤】売上原価の計算式

年初棚卸高
(1月1日時点の在庫金額)
当年仕入高
(1年間で仕入れた合計金額)
年末棚卸高
(12月31日時点の在庫金額)
売上原価(必要経費)
💡 イメージ:「期首にあった在庫+今年仕入れた分」から「売れ残りの在庫(期末)」を引いた金額が、今年売れた商品のコストです。

年末棚卸高の求め方

年末棚卸高は、12月31日時点の実際の在庫数量に単価を掛けて計算します。

年末棚卸高 = 単価 × 実地棚卸の数量(12月31日現在)

単価の決め方(届出がない場合)

計算方法を届け出ていない場合は、当年最後に仕入れた日の金額(最終仕入原価法)を使います。

【図⑥】年末棚卸高の計算例

【前提】12月中の仕入れ状況

仕入日 数量 単価
12月1日 100個 @400円
12月20日 100個 @500円

12月31日時点の在庫:150個

【計算】最終仕入原価法(届出なし)の場合

❌ よくある間違い
12/1仕入分→@400円で計算
12/20仕入分→@500円で計算
100個×400 + 50個×500
65,000円
仕入日ごとに単価を分けて
計算してしまっている
✅ 正しい計算
最後に仕入れた日:
12月20日 @500円
150個 × 500円
75,000円 ✅
全数量に最終仕入単価
を使う

⚠️ 破損・劣化品がある場合

通常の方法で販売・使用できない商品(破損・腐敗など)は、通常の単価ではなく「処分可能価額」で評価します。

通常の金額で
販売できない
通常の方法で
使用に耐えない
12月31日現在の処分可能価額で評価する

まとめ

✅ この記事のポイント整理

1
売上・経費の計上は「お金が動いた日」ではなく「取引が発生した日」が基準。入金・支払いを待たずに帳簿に記録する
2
売上の計上タイミングは引き渡した日・役務完了日。請求書を発行した日や入金日ではない
3
商品を自家消費・贈与した場合も収入として計上が必要。原則は販売価額、特例で「仕入金額」か「販売価額×70%」の低い方
4
売上原価 = 年初棚卸高 + 当年仕入高 - 年末棚卸高。仕入れた全額ではなく、売れた分だけが必要経費になる
5
年末棚卸高の単価は、届出がない場合は最終仕入原価法(12月31日に最も近い仕入日の単価)。破損品は処分可能価額で評価する
※ 個別の状況によって取り扱いが異なる場合があります。詳しくはお気軽にご相談ください。
※ 税制は改正されることがあります。最新情報は税理士または税務署にご確認ください。
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