年収の壁に引っかかるかどうか、どの金額を見るの?

親子、夫婦間で、税金の計算で扶養に入れたい人がいる。いくらまでだったら扶養に入れるの?
「年収の壁」と言われますが、どの金額を見て判断するのか、意外に知られていません。

判断に使うのは「所得金額」
判断に使うのは、所得金額です。
所得金額とは、税金の計算で使う「もうけ」にあたる金額です。
※ここでは、所得税の扶養控除・配偶者控除について、所得の金額を確認する方法を説明します。社会保険の扶養とは基準が違います。

所得金額の計算のしかた
例えば、所得金額は次のように計算します。いずれも1年間の金額で考えます。
給与をもらっている人の場合
給与・賞与の収入金額-給与所得控除額
事業や副業をしている人の場合
収入-経費-青色申告特別控除額
※青色申告特別控除の適用がある場合の計算です。青色申告特別控除の適用がない場合は、収入から経費を引きます。
※副業が雑所得に当たる場合は、青色申告特別控除を差し引けません。

国民年金・厚生年金をもらっている人の場合
年金の収入金額-公的年金等控除額
※国民年金・厚生年金の遺族年金は非課税のため、税金の扶養判定に使う所得金額には含めません。
生命保険の個人年金をもらっている人の場合
その年に受け取った年金の金額-その年金に含まれる保険料分
※自分で保険料を払い、自分で年金を受け取る場合の計算です。
※差し引く保険料分は、保険会社のお知らせにある「必要経費」などの金額で確認できます。払い込んだ保険料の全額を引くわけではありません。

| 収入の種類 | 所得金額の計算 |
| 給与・賞与 | 収入金額-給与所得控除額 |
| 事業・副業 | 収入-経費-青色申告特別控除額 |
| 国民年金・厚生年金 | 収入金額-公的年金等控除額 |
| 生命保険の個人年金 | その年に受け取った年金の金額-その年金に含まれる保険料分 |
所得金額を合計して判断します
基本的には、これらの所得金額を合計して判断します。

「給与の所得金額だけを見ていて、年金の所得金額を足していなかった」「生命保険の個人年金を抜かして計算していた」など、本当は扶養に入れられなかったのに、入れてしまったというケースがあります。

また、所得金額ではなく、収入金額で判断すると勘違いされる方も多いです。

では、令和8年はいくらまででしょうか
所得金額の条件は、年間の所得金額の合計が62万円以下であることです。
収入が給与・賞与だけの場合は、年間の収入金額が136万円以下です。
収入金額136万円-給与所得控除額74万円=所得金額62万円

事業や副業の所得だけがある人は、収入から経費を引き、青色申告特別控除の適用がある場合はさらにその控除額を引きます。その結果が62万円以下であることが条件です。
給与のほかに年金や副業などの所得がある場合は、それらも含めた所得金額の合計で確認します。
※扶養控除・配偶者控除には、所得金額以外の条件もあります。
※配偶者や19歳以上23歳未満の親族については、この金額を超えても別の控除の対象になる場合があります。
まとめ
- 年収の壁で見るのは、収入金額ではなく所得金額
- 年金・個人年金・副業などがあれば、所得金額を合計して判断
- 令和8年は、所得金額の合計が62万円以下(給与・賞与だけなら収入金額136万円以下)
※本記事は一般的な考え方をまとめたものです。実際の取扱いは個別の状況により異なります。
